
こんにちは、行政書士の高橋ゆうこです。
今回は相続手続きの中でも、「株式」や「未受領配当金」の遺産分割について、遺産分割協議書への具体的な記載方法をわかりやすく解説いたします。
遺産分割協議書とは?
遺産分割協議書とは、相続人全員で話し合い、誰がどの遺産をどのように相続するかを合意した内容を文書にしたものです。
不動産や預貯金はもちろん、株式や配当金といった金融資産についての記載も相続手続きを進めるうえで必要になってきます。
株式や未受領配当金も遺産分割の対象!
「株式は故人名義だけど、証券会社に言えば自動的に相続できるのでは?」
そう思われる方も多いですが、実際は相続人全員の同意書類が必要になります。
相続人数名で株式を分け合う場合、株式数で記載します。
長女、長男、次男の3名に3分の1ずつ分割するという記載にすると、株式を共有で相続することになってしまいます。
また、株式の未受領配当金(死亡後に支払われる予定だった配当)も相続財産です。これらも分割方法を明確にしておかないと、改めて未受領配当金の分け方についての書類を作らなければならなくなる場合があります。
株式の記載方法(例)
遺産分割協議書に株式を記載する際は、銘柄名・証券会社・保有株数などを正確に記載します。
<記載例>
被相続人○○○○(令和○年○月○日死亡)の所有していた以下の株式については、相続人○○○○がすべてを相続するものとする。
【株式の内容】
・株式会社△△自動車(証券コードxxxx)
・証券会社:○○証券株式会社 ○○支店
・保有株式数:100株
※証券会社ごとに提出書類の形式が異なる場合がありますので、個別に確認しましょう。
未受領配当金の記載方法(例)
未受領配当金は金融機関または発行会社から「支払予定額」の通知が届くことがあります。その金額が確定していれば明示、未確定なら「以上の株式に付随する配当その他一切の権利」「未受領配当金一切」と記載して問題ありません。
<記載例(確定している場合)>
被相続人○○○○の死亡時点において未受領であった株式会社△△自動車の配当金(令和○年○月分、金○○円)は、相続人○○○○が取得するものとする。
<記載例(未確定の場合)>
被相続人○○○○の所有していた株式に関して、死亡後に発生する未受領配当金はすべて、相続人○○○○が取得するものとする。
注意点とポイント
- 証券会社の手続き要件に合わせて、分割協議書の形式を整える必要があります。
- **「相続人全員の署名・押印(実印)と印鑑証明書の添付」**が基本です。
- 未上場株式の場合、別途評価や会社の同意が必要となるケースもあるため、専門家に相談しましょう。
まとめ
株式や未受領配当金も、れっきとした相続財産です。適切な記載がないと、証券会社での名義変更や配当の受け取りが滞る可能性がありますので、明確に遺産分割協議書へ記載することが大切です。
行政書士として、相続人間の円満な話し合いとスムーズな手続きを全力でサポートいたします。
ご不明点があれば、お気軽にご相談ください。
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