遺贈と死因贈与契約の違いとは?|相続・遺言の専門家がわかりやすく解説

こんにちは。行政書士の高橋ゆうこです。

遺産の承継に関するお悩みを抱えている方の中には、「遺贈死因贈与契約って何が違うんだろう?」という疑問を持たれる方も多いと思います。

どちらも「人が亡くなったときに財産を渡す」という点では似ていますが、法的な位置づけや手続きが大きく異なります。今回は、それぞれの特徴や違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。


✅ 遺贈とは?

**遺贈(いぞう)**とは、遺言書によって、遺言者が自分の財産を、特定の人に無償で譲ることを言います。

◯ たとえば…

「私の自宅は、長男ではなく、長女に相続させたい」
このような希望がある場合、遺言書で「自宅を長女に遺贈する(または、「相続させる」)」と記載することで実現できます。

【遺贈のポイント】

  • **一方的な意思表示(遺言)**で成立
  • 遺言者の死亡によって効力が発生
  • **書面(遺言書)**が必須
  • 相手の承諾は不要(ただし放棄は可能)

✅ 死因贈与契約とは?

死因贈与契約(しいんぞうよけいやく)は、「贈与者が死亡したときに財産を渡す」という契約です。

◯ たとえば…

「私が死んだら、このマンションをあなたにあげる」
と口頭または書面で合意した場合、それは死因贈与契約になります。

【死因贈与のポイント】

  • **契約(双方の合意)**によって成立
  • 口頭でも可能(ただし証明が困難なため、書面推奨)
  • 死亡時に効力が発生するが、契約による義務があるため法的拘束力が強い
  • 契約時、相手方に対象の財産を明らかにしておく必要がある

🔍 遺贈と死因贈与の違いを比較表で整理!

項目遺贈死因贈与契約
成立方法遺言による一方的な意思表示双方の合意による契約
相手の承諾不要(放棄は可)必要(合意が前提)
証拠遺言書が必要契約書が望ましい
撤回遺言の書き直しで可能原則、当事者の合意が必要
法的拘束力弱い(遺言の自由度が高い)強い(契約として有効)

✅ 実務での注意点とアドバイス

【遺贈の場合】

  • 公正証書遺言を活用することで、トラブルのリスクを減らせます。
  • 遺留分(特定の相続人に保障された最低限の取り分)に注意しましょう。

【死因贈与契約の場合】

  • 合意書を作成しておくことで、将来の紛争を予防できます。
  • 登記や税務上の手続きにも影響するため、専門家の関与が重要です。

💡 行政書士からの一言アドバイス

「自分の意思をしっかり残したい」「確実に財産を特定の人に渡したい」という場合、それが遺贈なのか、死因贈与なのかを正しく理解したうえで手続きを進めることが大切です。

行政書士は、遺言書の作成支援死因贈与契約書の作成でお役に立てます。ご希望に合った方法を一緒に考えていきましょう。


📌 まとめ

目的おすすめ手続き
自分の一方的な意思を残したい遺贈(遺言)
契約によって確実に渡したい死因贈与契約

遺産の承継は、ご家族にとって大きな影響を与えます。トラブルを避け、円満な相続を実現するためにも、早めのご相談をおすすめします。

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