
こんにちは。行政書士の高橋ゆうこです。
就労継続支援事業で安定的な収益を確保するには、**「どの加算が取れて、どの要件を満たす必要があるか」**を明確に把握することが非常に重要です。
本記事では、A型・B型それぞれで取得できる主な加算について、**「取得に必要な具体的な実績」「頻度」「記録のポイント」**を一覧で解説します。
◆ この記事でわかること
- 各加算の「取得要件」と「必要な実績」
- 実地指導・監査で見られるポイント
- 取得のための準備や対策方法
◆ 加算別 必要実績一覧(A型・B型共通・限定あり)
加算名 | 対象 | 必要な実績・条件 | 頻度・提出物 | ポイント |
---|---|---|---|---|
就労継続支援体制加算 | A型・B型 | ・個別支援計画の作成・6ヶ月ごとの更新 ・モニタリング実施(3ヶ月以内) | ・計画書+日々の記録 ・会議議事録 | 更新・評価の実施日が記録に残っているかが重要 |
福祉専門職員配置等加算 | A型・B型 | ・社会福祉士等の資格者を常勤 or 一定時間以上配置 | ・資格証の写し ・勤務実績表 | 雇用契約書・就業規則にも業務内容の明記を |
目標工賃達成加算 | B型 | ・区分ごとの平均工賃実績を達成(例:区分Ⅱ→月15,000円以上) | ・工賃支給実績台帳 ・賃金台帳 | 過去1年分の平均を用いる。未達だと返還対象になることも |
目標工賃達成指導員加算 | B型 | ・専任の工賃向上担当職員を配置 ・具体的な工賃向上計画あり | ・職務分掌表 ・計画書 | 職務の兼務不可。業務内容が明確かどうかが問われる |
生産活動実績評価加算 | A型 | ・総売上(生産活動収入)と就労移行数の一定基準をクリア | ・収支報告書 ・移行実績一覧 | 実績値は年度単位。複数年比較されるため安定運営が重要 |
移行支援加算 | A型 | ・一般就労への移行成功(雇用契約+定着1ヶ月以上) | ・雇用証明書 ・定着支援記録 | 雇用形態・期間に注意(短期派遣は対象外) |
処遇改善加算 | A型・B型 | ・処遇改善計画書の提出 ・改善対象者に実際に分配 | ・実績報告書 ・給与明細 | 実際の支給内容と報告の一致が監査で見られる |
◆ 加算別 実績の「注意点」まとめ
✅ 就労継続支援体制加算
- モニタリング実施日が抜けやすい
- 支援会議の議事録(構成員・発言内容)も重要
✅ 目標工賃達成加算
- 利用者が入れ替わると平均工賃が急落することも
- 台帳のフォーマット統一でエビデンスを確保
✅ 生産活動実績評価加算
- 「月平均の工賃単価 × 出勤日数 × 就労率」で判定されるため、欠席が多いと不利
- 会計処理と連動させることで正確な集計が可能
◆ 実績管理のためのツール・方法
方法 | 特徴 | おすすめ |
---|---|---|
Excel台帳(自作) | 手軽で始めやすいが属人化リスクあり | 小規模事業所 |
加算管理表(月別) | 取得状況・要件を見える化できる | 全事業所に推奨 |
クラウド型記録システム | 自動計算・提出書式出力が便利 | 中〜大規模向け(例:ワイズマン、LITALICO) |
◆ 実地指導でのチェックポイント(加算別)
見られる項目 | 例 | 判定される観点 |
---|---|---|
実績データ | 工賃平均、移行人数 | 要件をクリアしているか |
書式の整合性 | 計画書と記録内容の一致 | 虚偽・形骸化の有無 |
記録の連続性 | 日々の支援記録・モニタリング | サボり・形式的運用がないか |
◆ 加算取得の実績づくりを成功させるコツ
- 最初に「取れる加算」を絞り込む
- 事業規模・スタッフ構成・工賃水準を元に判断
- 記録様式を加算要件に合わせて整える
- 記入漏れを防ぐチェックリストやマニュアルも活用
- 月次での自己チェック体制をつくる
- 加算要件を常に満たしているか、月末に確認できる体制を
- 実地指導を見据えた記録保存と職員教育を行う
- 特に“更新日・実施日”を意識
◆ まとめ
加算取得に必要な「実績」はこれでチェック! |
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✅ 工賃・雇用・支援回数など、具体的数値と行動が必要 |
✅ 月単位・年単位のデータ管理で安定運営 |
✅ 実地指導では「記録+整合性+継続性」がチェックされる |
✅ 専門家による事前点検でリスクを大幅削減できる |
行政書士が、書式の提供を含め、加算取得までの道のりをフルサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。
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